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Yahoo!知恵袋に潜入『Q.大谷石の石蔵は現在、新築できるのでしょうか。(建築基準法の組積造として建築確認申請が通るのでしょうか。)。』

Yahoo!知恵袋に潜入してみました。

 

今回の質問は『大谷石(おおやいし)』についてです。

 

石造りや旧帝国ホテル、フランクロイドライトが好きな方は『お!』っとなるキーワードですね。

 

Yahoo!知恵袋の質問と回答はこちら

 

質問

大谷石の石蔵は現在、新築できるのでしょうか。(建築基準法の組積造として建築確認申請が通るのでしょうか。)

 

私の回答

回答するにあたり、私は一級建築士であり、また、建築基準適合判定資格を有し、かつ、過去10年程度の建築指導行政に携わっていた者としての見解です。

大谷石といえば、比較的柔らかい石のため、構造材として利用するよりも仕上げ材として使用されるケースが一般的の事はご存じかと思います。その上で、構造材に大谷石を利用して新築する場合、建築基準法を満たすことは可能か?というご質問の趣旨かと思われます。

大きく2点ほど条件がありますので、簡単に整理します。この2点が確認できれば『新築は可能』です。

1.建築材料としてJIS規格に適合すること。(建築基準法第37条)
これから新築をする場合は、現行の法規が適用されますので、天然石を使用する場合は、まず建築基準法第37条をクリアする必要があります。
大谷石は天然石ですので、JIS規格(=日本工業規格/石材 JIS A 5003)に適合する必要があり、これを前提として構造計算といった構造方法を選択していくことになります。

2.(『1』がクリアされていることが前提として、)階数や床面積、高さといった規模に応じた構造方法を用いること。(法6条1項、法20条1項、令51条~62条)
次に、階数や床面積、そして高さによって「できる」「できない」という判断をすることになります。また、いわゆる“仕様規定”という特殊な構造計算を行わない場合でも判定は可能ですが、この場合は小規模かつ設計の自由度の低い計画となってしまいそうですので、“構造計算”によって設計の自由度を高めることが有効かと思われます。もちろん、構造計算を実施する場合は部材の許容応力度等の数値が必要となりますので、大谷石の試験データを取得する必要があります。

最後に、「確認申請が通るか?」といった視点だけについてお答えすると、建築士の資格を有した方であれば“確認の特例(法6条の4等)”により、先に挙げた建築基準法第37条や仕様規定に係る構造方法は「審査対象外」となりますので、申請上は添付書類等は省略することができるます。よって、確認申請は、平屋で200㎡以下といった小規模の計画であれば、意外とすんなり通るかと思われます。
(もちろん、審査対象外とあっても、法適合は絶対ですので、検討資料は手元に持っておかないといけません。検査時に検査員に「構造検討書を見せてください。」と言われれば、提示しなければなりません。)

「大谷石」に関する詳細は、HPで「建築基準法における大谷石建造物の取扱い」というパンフレットを掲載している『宇都宮市都市整備部建築指導課』に問い合わせてみるのもいいかもしれません。少なくとも“Yahoo!知恵袋”よりも的確な回答が得られるかと思います。

以上、参考となれば幸いです。

 

「建築基準法における大谷石建造物の取扱い」宇都宮市都市整備部建築指導課

PDFリンク→https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/236/ooyaisikenzoubutsu_pamphlet.pdf

※法改正によって、用途変更の申請の有無の判断チャートにおいて『100㎡』を『200㎡』に読み替えてご覧ください。

 

ただ、今回の質問は『新築』でしたので、実務上の問題としてハードルは結構高めな印象です。

 

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