平成29年度 新傾向対策(第10次改正より)

新傾向問題として、平成26年3月7日の閣議決定の内容を見ていきましょう。

プレスリリースされた内容では、“建築物において木材利用や新技術導入を促進するための規制緩和、建築関連手続きの合理化、事故・災害対策の徹底など多様な社会経済的要請に的確に対応し、国民の安全・安心の確保と経済活性化を支える環境整備を推進することが急務”とされています。

概 要

(1)木造建築関連基準の見直し

建築物における木材利用の促進を図るため、耐火建築物としなければならないこととされている三階建ての学校等について、一定の防火措置を講じた場合には、主要構造部を準耐火構造等とすることができることとする。

 解説:法27条が大きく改正されましたので、「特定避難時間倒壊等防止建築物」や「木3共」、「木3学校」といった問題が、政令及び告示にわたって出題される可能性はあります。

(2)構造計算適合性判定制度の見直し

構造計算適合性判定を都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関に直接申請できることとするとともに、比較的簡易な構造計算について、一定の要件を満たす者が審査を行う場合には、構造計算適合性判定を不要とすることとする。

 解説:法第6条の3及び政令9条の3あたりから出題の可能性があります。

(3)仮使用承認制度における民間活用

特定行政庁等のみが承認することができる工事中の建築物の仮使用について、一定の安全上の要件を満たす場合には、指定確認検査機関が認めたときは仮使用できることとする。

 解説:法第7条の6の改正により、仮使用の民間開放が実現されました。実務として、告示(H27国交告247)の内容が厳しいため、どこまで浸透するかはこれからでしょうか。

(4)新技術の円滑な導入に向けた仕組み

現行の建築基準では対応できない新建築材料や新技術について、国土交通大臣の認定制度を創設し、それらの円滑な導入の促進を図ることとする。

 解説:法第38条が復活しました。しかし、旧認定のものは、依然として既存不適格なものとなるため、旧認定に対する救済措置が望まれます。

(5)容積率制限の合理化

容積率の算定に当たって、昇降機の昇降路の部分及び老人ホーム等の用途に供する地階の部分の床面積を延べ面積に算入しないこととする。

 解説:法第52条第6項に、昇降機の昇降路の部分も追加となりました。高層建物の計画にとっては大きな法改正となりました。

(6)定期調査・検査報告制度の強化

建築物や建築設備等についての定期調査・検査制度を強化し、防火設備についての検査の徹底などを講じることとする。

解説:法第12条本文に「建築設備等」が明記されました。

(7)建築物の事故等に対する調査体制の強化

事故・災害対策を徹底するため、国が自ら、関係者からの報告徴収、建築物等への立入検査等をできることとする。

 解説:法第15条の2関係ですね。

 

 

新傾向としては、このほかに強化天井といった規定もあります。

上記の第10次改正の内容は試験以外でも実務でも役に立ちますので、しっかりとおさえておきましょう。

 

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