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第2款 荷重及び外力
(荷重及び外力の種類)
第83条 建築物に作用する荷重及び外力としては、次の各号に掲げるものを採用しなければならない。
一 固定荷重
二 積載荷重
三 積雪荷重
四 風圧力
五 地震力
2 前項に掲げるもののほか、建築物の実況に応じて、土圧、水圧、震動及び衝撃による外力を採用しなければならない。
(固定荷重)
第84条 建築物の各部の固定荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、次の表に掲げる建築物の部分の固定荷重については、それぞれ同表の単位面積当たり荷重の欄に定める数値に面積を乗じて計算することができる。
建築物の部分 | 種別 | 単位面積当たり荷重(単位 N・㎡) | 備考 | |||
屋根 | 瓦ぶき | ふき土がない場合 | 屋根面につき | 640 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない。 | |
ふき土がある場合 | 980 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない。 | ||||
波形鉄板ぶき | もやに直接ふく場合 | 50 | もやを含まない。 | |||
薄鉄板ぶき | 200 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない。 | ||||
ガラス屋根 | 290 | 鉄製枠を含み、もやを含まない。 | ||||
厚形スレートぶき | 440 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない。 | ||||
木造のもや | もやの支点間の距離が2m以下の場合 | 屋根面につき | 50 | |||
もやの支点間の距離が4m以下の場合 | 100 | |||||
天井 | さお縁 | 天井面につき | 100 | つり木、受木及びその他の下地を含む。 | ||
繊維板張、打上げ板張、合板張又は金属板張 | 150 | |||||
木毛セメント板張 | 200 | |||||
縁 | 290 | |||||
しつくい塗 | 390 | |||||
モルタル塗 | 590 | |||||
床 | 木造の床 | 板張 | 床面につき | 150 | 根太を含む。 | |
畳敷 | 340 | 床板及び根太を含む。 | ||||
床ばり | 張り間が4m以下の場合 | 100 | ||||
張り間が6m以下の場合 | 170 | |||||
張り間が8m以下の場合 | 250 | |||||
コンクリート造の床の仕上げ | 板張 | 200 | 根太及び大引を含む。 | |||
フロアリングブロック張 | 150 | 仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。 | ||||
モルタル塗、人造石塗及びタイル張 | 200 | |||||
アスファルト防水層 | 150 | 厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。 | ||||
壁 | 木造の建築物の壁の軸組 | 壁面につき | 150 | 柱、間柱及び筋かいを含む。 | ||
木造の建築物の壁の仕上げ | 下見板張、羽目板張又は繊維板張 | 100 | 下地を含み、軸組を含まない。 | |||
木ずりしつくい塗 | 340 | |||||
鉄網モルタル塗 | 640 | |||||
木造の建築物の小舞壁 | 830 | 軸組を含む。 | ||||
コンクリート造の壁の仕上げ | しつくい塗 | 170 | 仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。 | |||
モルタル塗及び人造石塗 | 200 | |||||
タイル張 | 200 |
(積載荷重)
第85条 建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、次の表に掲げる室の床の積載荷重については、それぞれ同表の(い)、(ろ)又は(は)の欄に定める数値に床面積を乗じて計算することができる。(H30-5-1)
構造計算の対象 | (い) | (ろ) | (は) | ||
室の種類 | 床の構造計算をする場合 (単位 N・㎡) | 大ばり、柱又は基礎の構造計算をする場合 (単位 N・㎡) | 地震力を計算する場合 (単位 N・㎡) | ||
(1) | 住宅の居室、住宅以外の建築物における寝室又は病室 | 1,800 | 1,300 | 600 | |
(2) | 事務室 | 2,900 | 1,800 | 800 | |
(3) | 教室 | 2,300 | 2,100 | 1,100 | |
(4) | 百貨店又は店舗の売場 | 2,900 | 2,400 | 1,300 | |
(5) | 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類する用途に供する建築物の客席又は集会室 | 固定席の場合 | 2,900 | 2,600 | 1,600 |
その他の場合 | 3,500 | 3,200 | 2,100 | ||
(6) | 自動車車庫及び自動車通路 | 5,400 | 3,900 | 2,000 | |
(7) | 廊下、玄関又は階段 | (3)から(5)までに掲げる室に連絡するものにあつては、(5)の「その他の場合」の数値による。(H30-5-1) | |||
(8) | 屋上広場又はバルコニー | (1)の数値による。ただし、学校又は百貨店の用途に供する建築物にあつては、(4)の数値による。 |
2 柱又は基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合においては、前項の表の(ろ)欄の数値は、そのささえる床の数に応じて、これに次の表の数値を乗じた数値まで減らすことができる。ただし、同項の表の(5)に掲げる室の床の積載荷重については、この限りでない。
ささえる床の数 | 積載荷重を減らすために乗ずべき数値 |
2 | 0.95 |
3 | 0.9 |
4 | 0.85 |
5 | 0.8 |
6 | 0.75 |
7 | 0.7 |
8 | 0.65 |
9以上(H30-5-1) | 0.6 |
3 倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、第1項の規定によつて実況に応じて計算した数値が1㎡につき3,900N未満の場合においても、3,900Nとしなければならない。(H23出題)
(積雪荷重)
第86条 積雪荷重は、積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算しなければならない。
2 前項に規定する積雪の単位荷重は、積雪量1cmごとに1㎡につき20N以上としなければならない。ただし、特定行政庁は、規則で、国土交通大臣が定める基準に基づいて多雪区域を指定し、その区域につきこれと異なる定めをすることができる。(H22出題)
3 第1項に規定する垂直積雪量は、国土交通大臣が定める基準に基づいて特定行政庁が規則で定める数値としなければならない。
4 屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度以下の場合においては、その配に応じて第1項の積雪荷重に次の式によつて計算した屋根形状係数(特定行政庁が屋根ふき材、雪の性状等を考慮して規則でこれと異なる数値を定めた場合においては、その定めた数値)を乗じた数値とし、その勾配が60度を超える場合においては、0とすることができる。(H30-5-2)(H25出題)
μb=√cos(1.5β)
(この式において、μb及びβは、それぞれ次の数値を表すものとする。
μb 屋根形状係数
β 屋根配(単位 度))
5 屋根面における積雪量が不均等となるおそれのある場合においては、その影響を考慮して積雪荷重を計算しなければならない。
6 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。(H30-5-2)
7 前項の規定により垂直積雪量を減らして積雪荷重を計算した建築物については、その出入口、主要な居室又はその他の見やすい場所に、その軽減の実況その他必要な事項を表示しなければならない。
(風圧力)
第87条 風圧力は、速度圧に風力係数を乗じて計算しなければならない。
2 前項の速度圧は、次の式によつて計算しなければならない。
q=0.6E V02
(この式において、q、E及びV0は、それぞれ次の数値を表すものとする。
q 速度圧(単位 N・㎡)
E 当該建築物の屋根の高さ及び周辺の地域に存する建築物その他の工作物、樹木その他の風速に影響を与えるものの状況に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
V0 その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/秒から46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速(単位 m/秒))
3 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、前項の規定による数値の1/2まで減らすことができる。
4 第1項の風力係数は、風洞試験によつて定める場合のほか、建築物又は工作物の断面及び平面の形状に応じて国土交通大臣が定める数値によらなければならない。
(地震力)
第88条 建築物の地上部分の地震力については、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものとし、その数値は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和(第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。)に当該高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない。この場合において、地震層せん断力係数は、次の式によつて計算するものとする。(H20出題)
Ci=ZRtAiCo
(この式において、Ci、Z、Rt、Ai及びCoは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Ci 建築物の地上部分の一定の高さにおける地震層せん断力係数
Z その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値
Rt 建築物の振動特性を表すものとして、建築物の弾性域における固有周期及び地盤の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Ai 建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表すものとして国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Co 標準せん断力係数)
2 標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が国土交通大臣の定める基準に基づいて規則で指定する区域内における木造の建築物(第46条第2項第一号に掲げる基準に適合するものを除く。)にあつては、0.3以上としなければならない。(H30-5-5)(H26,H22,H21出題)
3 第82条の3第二号の規定により必要保有水平耐力を計算する場合においては、前項の規定にかかわらず、標準せん断力係数は、1.0以上としなければならない。(H30-5-5)(H20出題)
4 建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に次の式に適合する水平震度を乗じて計算しなければならない。ただし、地震時における建築物の振動の性状を適切に評価して計算をすることができる場合においては、当該計算によることができる。(H30-5-3)
k≧0.1(1-(H/40))Z
(この式において、k、H及びZは、それぞれ次の数値を表すものとする。
k 水平震度
H 建築物の地下部分の各部分の地盤面からの深さ(20を超えるときは20とする。)(単位 m)(H30-5-3)(H25出題)
Z 第1項に規定するZの数値)